
歯科用顕微鏡治療
歯科用顕微鏡治療
歯科用顕微鏡
を使った治療
新規開院
8.12(火)
私たちの歯は、奥歯で縦7~8mm、横10~11mm、高さ9~10mm程度という、わずか数ミリから1センチほどの精密な構造物です。これは、例えるなら大豆や大きめの小豆、縦横のサイズ感でいえばコーヒー豆ほどの大きさです。この極めて小さな領域で行われる歯科治療において、肉眼で捉えられる視野には限界があります。肉眼での観察だけでは、髪の毛よりも細い歯の表面の微細な亀裂や、点状の初期の虫歯、複雑に入り組んだ歯の内部構造などを詳細に把握することは困難です。そこで活用されるのが、軽量で扱いやすい拡大鏡であるルーペです。2~10倍の倍率で患部を拡大することで、肉眼では困難だった細部の観察が可能となり、診断の精度向上やより精密な治療へと繋がります。
しかし、この微細な歯の構造に対するさらなる精密性を追求し、治療の質を飛躍的に向上させるのが、歯科用顕微鏡を用いた治療です。歯科用顕微鏡の倍率は、2.5倍から最大30倍にも及びます。これは、ルーペと比較しても格段に高い倍率であり、肉眼での識別が難しい、例えば根管内の微細な細菌の塊や、非常に小さな虫歯や亀裂などを鮮明に映し出すことができます。
さらに、光の強さ、記録性、そして患者様への説明のしやすさという点においても、歯科用顕微鏡はルーペより優れています。顕微鏡は、ルーペより患部を明るく照らし出す強力な光源を備えており、より鮮明な視野を提供します。また、治療の様子を静止画や動画で記録することが可能なため、客観的な診断情報の保存や、患者様への治療経過の説明に非常に役立ちます。高倍率の映像をモニターで共有することで、患者様ご自身も治療内容をより深く理解することができ、安心感にも繋がります。このように、歯科用顕微鏡は、精密な治療を実現するだけでなく、より質の高い歯科医療を提供するための強力なツールと言えるでしょう。
歯の大きさを“身近なもの”で比較
大豆、大きめの小豆、縦横だとコーヒー豆、レゴブロック(レゴ 側面1スタッド 1×1ブロック)
肉眼での視野には限界がある
歯科用顕微鏡とルーペ
ルーペの倍率:2〜10倍
顕微鏡の倍率:2.5〜30倍
MIDは、「できるだけ歯を削らない」ことを基本とした治療概念です。早期発見と進行抑制、歯の自然な修復力促進、健康な歯質を最大限に残し、丁寧なケアで歯の寿命を長く守ることを目指します。
MIDでは予防が非常に重要です。個々のリスク評価に基づいた予防プログラム(歯磨き指導、食生活改善、フッ化物応用など)で、虫歯や歯周病の発生を防ぎます。
定期的なプロのクリーニングや口腔内チェックは、虫歯や歯周病の早期発見・早期対応に不可欠です。MIDの長期的な成功には継続的なメインテナンスが重要です。
歯の長期的な健康には歯周病治療も重要です。MIDは歯周病の予防と早期治療にも適用され、定期的な検診と適切な治療・メインテナンスで歯の維持に貢献します。
歯科用顕微鏡はMIDを実践する上で強力なツールです。初期の虫歯や歯の微細な変化を高倍率で観察し、早期かつ正確な診断を可能にします。治療でも精密な操作で健康な歯質を最小限に削り、質の高い治療を行います。予防やメインテナンスでも早期の問題発見に役立ちます。
MIDは「できるだけ削らない治療」を中心に、予防、メインテナンス、歯周病治療と連携し、生涯にわたる歯の健康を目指す概念です。歯科用顕微鏡はその全ての過程で、より精密な診断と質の高い治療・予防を可能にする重要なツールです。
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