歯髄(歯のシンケイ)とは?|松山歯科クリニック|鹿児島市谷山の歯医者【顕微鏡を使った治療】

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歯髄(歯のシンケイ)とは?

歯髄(歯のシンケイ)とは?|松山歯科クリニック|鹿児島市谷山の歯医者【顕微鏡を使った治療】

歯科用顕微鏡
を使った治療

診療の流れ

歯髄(歯のシンケイ)は歯の中にある『高感度なセンサー』

歯髄は、一般的に”シンケイ”と呼ばれることが多いです。正確には熱さや冷たさ、そして痛みを伝える神経経路と、歯に栄養を送り込む血管系や免疫を司る細胞などの集合体です。『歯がしみる』『歯が痛い』といった症状の多くは、むし歯菌の侵入や過度な負担といった歯に生じた異変が原因であることがほとんどです。それを察知し「これ以上、悪化すると危ない」という警告(アラーム)をシンケイが発します。痛みがあるということは、そこにある命が必死に抵抗し、守ろうとしている証拠でもあります。言い換えると、シンケイを除去した歯にはこのセンサーがないと言えます。

歯科治療が向き合う『歯髄』の現実

『歯が痛い』場合の多くが、シンケイにより歯の防衛反応を超える攻撃を受けた結果、強い痛みとして脳に警告している状況です。むし歯菌の攻撃が優勢になると歯髄は機能を停止します。機能の停止により『痛み』は消失する傾向です。しかし同時に血管などによる歯への栄養供与が停止します。歯髄の機能が正常な歯を『生活歯』(シンケイの生きている歯)、機能を失った歯を『失活歯』といいます。失活すると歯に栄養を届けないどころか、シンケイの残骸を餌として細菌が育つ空間への変化します。

学術的に言えば、感染とは単に菌が付着することではなく、菌がその場所に定着し、増殖を開始した状態を指します。

口の中には常に数千億の細菌が共生していますが、むし歯などの歯へのの攻撃によって、本来「無菌的」であるはずの歯の深部にまで彼らが勢力を広げ、生体の防御反応(免疫)が届かない場所で増え続けてしまう。これが、私たちが根管治療で解決すべき「感染」の実態です。

複雑な歯の内部

歯の内部は複雑です。実際には歯髄はメインの通り道から無数の細かな枝が網目状に広がり、ときには木の根のように複雑に湾曲しながら、顎の骨とつながっています。この緻密な構造は、かつて歯髄が「生命の通り道」として栄養を運んでいた名残です。しかし、一度ここに細菌が入り込むと、この複雑な迷路は一転して、現代医学でも容易には手が届かない「細菌の要塞」へと姿を変えます。

歯内療法の目的は、歯の根の中を限りなく”無菌”に近づけることです。

歯内療法の最大の目的は、歯の内部から細菌の影響を排除し、可能な限り「無菌に近い状態」を作り出すことにあります。私たちの体には、傷ついた組織を自ら治そうとする「自然治癒力」が備わっています。しかし、歯の根の中に細菌が存在し続ける限り、その力は妨げられ、炎症が続いてしまいます。つまり、細菌という「治癒を阻む要因」を取り除き、体が本来持っている「治る力」が正常に働く環境を整えること。 これこそが、根管治療が目指すべき本質です。

根管内(歯の根の中)の”無菌的”環境が、生体の”治癒機転”(治る環境)を引き出す

1965年に発表されたKakehashiらの研究は、「根管内に細菌さえ存在しなければ、生体は本来備わっている治癒プロセスを辿る」という事実を、無菌状態を用いた比較実験によって科学的に示しました。

もちろん、実際の臨床において完全な無菌化を達成することは容易ではありません。しかし、歯科医療ができることは組織を直接治すことではなく、細菌という障害を可能な限り排除し、「免疫が本来の力を発揮しやすい環境」を整えることに尽きます。

参考文献:Kakehashi S, Stanley HR, Fitzgerald RJ. The effects of surgical exposures of dental pulps in germ-free and conventional laboratory rats. Oral Surg Oral Med Oral Pathol. 1965;20(3):340-349.

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